逃避のフラメンコ

フラメンコシューズを買った

靴の裏にくぎが打ってあるんだ
想像できるかい?


これを履いたものは
たとえば走ったとき、
たたたたたん   と
激しいおとがする
ときどきゆっくり慎重に歩く
ととと・・・とん
ととと・・・ととん
と・・と・・ととつとととん!


次第に足のステップが
リズミカルになっていくんだよ
こんなに楽しいことがあるんだね


ネコがこれを見たらどうなるだろう?
いぬがこの姿をみたらどうなるだろう?
ことりがこの音をきいたらどうなるだろう?


もしネコもいぬもとりも
みんながフラメンコを知ったら
心おどるだろう
眠たかったネコはいつのまにか
すっくとおきあがり
ギターをさがして人間にわたすだろう
にゃあ、弾いてよ
と、いわんばかりに


お腹がすいて機嫌が悪かったいぬは
わんわん歌いだすだろう
ぼくが好きなことは歌うことだったんだって気付いてね


空飛ぶことに退屈したことりは
にぎやかな地上の世界におどろいて、
カスタネットを買いにでかける
ちゅんちゅん音がもう飽きたといってね


そして・・・バイラオーラ!
フラメンコダンサーの登場さ!


でるくいうたれる、とはいうけれど
フラメンコの世界は出た者勝ちさ


さあ   みんなも踊ろうよ
愉快なフラメンコ
情熱のフラメンコ


動物だって知っているのさ
だから君もきょうから
フラメンコシューズをはいてみようよ!